(Part 1)抄訳「Principios Fundamentales de La Filosofía MGTOW 3.0」

(原文:https://www.scribd.com/document/489574448/Principios-Fundamentales-de-La-Filosofia-MGTOW-3-0-Por-Che-Morpheus-y-Cara-B-MGTOW

 

当ブログ最初の連載となるこのシリーズでは、Cara B MGTOW氏によるMGTOWの概説記事「Principios Fundamentales de La Filosofía MGTOW 3.0」(以下「MGTOW3.0」と呼ぶ)を紹介する。

 

MGTOW3.0は、主にスペイン人読者を対象として書かれている。しかし、MGTOWの歴史や行動規範について書かれている箇所は、我々日本人にとっても参考となると思い、訳出を始めた。

 

今回の記事の内容は、MGTOW3.0を執筆するに至った背景を説明している第1.3項("Objetivos")と、MGTOWの歴史が概略的に示されている第1.5項("Breve reseña histórica de la filosofía MGTOW")を翻訳したものである。

 

なお、私はスペイン語母語話者ではないため、以下の翻訳において誤りがあったり、原文のニュアンスを取り違えていたりしても、その責任はすべて私にあることをここに明記しておく。    Como no soy hablante nativo de español, si hay errores o matices que no he podido reproducir en la traducción, la culpa no es del autor original, sino solamente mía.

 

以下、翻訳を掲載する。  Aquí comienza la traducción.

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はじめに

なぜ、ここで説明する基本的原則が必要なのだろうか?そして、その原則が目指すものとは何なのだろうか?

1.3 目標

  • 時を経ても有効であり続けるMGTOW思想のガイドとして、バージョンアップされた基本的原則を提供する
  • MGTOW思想を明確に定義する
  • MGTOW思想に客観性のある理論的基礎を与えることにより、古株たちの知識を補強すると同時に、新参者の学習を容易にする
  • いくつかの事実を認識している、あるいは思想的に近い立場にあるに過ぎない人々から、我々MGTOWを区別する (訳注:後に説明されるが、MGTOWの定義をめぐってコミュニティ内で論争があったため、それを踏まえたものと思われる。)
  • 誤った情報が広がらないように、MGTOW思想を正確に解説する

1.5 MGTOW思想の簡単なおさらい

本項は、MGTOW思想の歴史、すなわち、その起源と長年にわたる発展について理解することを目的とする。MGTOWはどこで生まれ、何を目的としているのだろうか。また、どこで活動し、どこへ向かっているのだろうか。

 

MGTOW1.0

2000年代初頭におけるMRA(Men Rights Activists、男性人権活動家)たちの出現が、MGTOWの始まりとされている。最初期の様子、参加者、具体的な日付などの厳密な起源については定かではないが、当時のMGTOWたち、および彼らの理念を知るためには十分な記録が残っている。

 

最もよく知られている事実は、現在は消滅したMRAフォーラムの利用者、RagnarとSolarisがMGTOWの創始者であったか、少なくとも最初のMGTOWマニフェストに表明された内容の考案者であった、ということである。

 

興味深いことに、最初のMGTOWマニフェストは、2001年に「no.maam」(No Madam)というフォーラム(訳注:厳密にいうとno.maamはブログだが、原文では「foro(フォーラム)」と記載されているため、元の表現を採用した。)に投稿された。このマニフェストは、①男性に男らしさを教えること、②女性に女らしさを教えること、③小さな政府(原文:limited government)を作ること、の3点に重きを置いていることで有名である。執筆当時、MRAたちは政治的手段により、各々の性を伝統的な役割に回帰させ、家庭への政府の介入を制限することを目指していたという時代背景が、このマニフェストには反映されている。

 

彼らの当初の考えは、それらが当時の状況を反映したものであるとして尊重されることはなかった。しかし、彼らの行動の本質は、MRAフォーラム内外の多くの男性たちによって採用・共有された上に、現在に至るまでインターネット上のあらゆる場所で、静かに広がりを見せている。

 

MGTOW2.0

2010年代の初め頃にMGTOWコミュニティ内で起こった変化が、このように呼ばれる。この期間において、コミュニティの意見交換の形式や場所が変化した。特に場所については、MRAフォーラムから、乱立を繰り返すMGTOW専用フォーラムに移ったが、最終的には主にYoutubeで意見交換が行われるようになり、Stardust(今日ではThinking Apeとして知られている)とBarbarossa(愛称:Barbar)の2人が有名である。彼らはYoutubeにおける最初のMGTOWコンテンツのクリエーターであり、男性に影響を及ぼす問題、恋愛関係、結婚、離婚、法制度、その他英語圏の国々の具体的な問題について語っていた。

 

最大の転換点となったのは、英語圏のMGTOWコミュニティによるMGTOWマニフェストの拒絶、特に、Barbarossaの歴史的なビデオ「A rejection of the MGTOW Manifesto」である。

 

この時から、Youtubeに新しいコンテンツクリエーターが現れ始め、一時代を築いた。彼らは、恋人関係、男性の人生の目標、男女間の不平等に対する世論の偏った判断などといった、より思想的な側面にフォーカスした最初の世代である。2015年頃には、MGTOWのメッセージは英語のコンテンツを通じて全世界に拡散され、スペイン語を含む様々な言語のチャンネルが現れるようになった。

 

この時期のMGTOW思想を構成する主要なアイデアは、以下の通りである:結婚の拒絶、子供を持つことの拒絶(少なくとも妻、愛人が必要な伝統的な方法の拒絶。代理出産は可)、同居生活の拒絶、自己啓発、自己向上、そして、男性に敵対的な社会環境において、家庭を持つことを超える人生の目標を見つけること。しかしながら、短期的に恋愛関係を持つという可能性については曖昧さが残っており、現在でも、恋人を作ることはMGTOW思想の放棄を意味しないと考える人さえいる。

 

MGTOW3.0

前述の問題(これは、Barbarossaをめぐる騒動において顕著になった。ガールフレンドとの関係をMGTOW思想の枠内で語った彼のビデオ「Where I've Been」は炎上した。)に端を発して、恋人を持ってもよいという提案を却下することへの喫緊の必要性が生じた。なぜなら、コミュニティの人々は、それがMGTOW思想の本質とは相容れないものであると考えたからだ。

 

上述の事件による数々の騒動と対立を経て、論争に決着をつけるべくMGTOW3.0が生まれた。MGTOW3.0においては、その重要な理論的規則により、MGTOW思想の「我が道を往く」という概念を規定する前提と、恋人関係を持つことは両立不可能であるということが定められている。